ギャラリー陶ほうざん ミニ資料集

「ギャラリー陶ほうざん」オンラインショップの別館です
雪中華(せきちゅうか)

文 : 谷寛窯三代目窯主 谷井芳山


雪中華と積雪の桜■ 雪中華(せきちゅうか)の由来

出生の地、奈良県吉野郡の自然あふれる故郷の思い出は、山一面に広がる吉野桜が心の中に蘇って参ります。

幾度も幾度も厳しい冬の季節に耐えたのち、春の気配を感じる頃、雪の下からまるで設計図から目覚めたようにあの何とも言えない美しい桜の花が咲いてくる・・・。
まるで桜の開花も人生そのもの、厳しい試練の後にはあのポカポカとした温かい日差しの春が必ずやって来る!
・・・そんな私の心の中から湧き上がってきたイメージを作品に表現したいと30代前半から温めていました。


雪中華 大皿■ 特徴

釉薬は清らかな純白の雪をイメージした芳山白と名付けた信楽の伝統釉である萩釉から変化させた真っ白なマット釉、そしてあの桜色に見える赤色に焼きあがる釉を一層目に施し、雪が降り積もったように見える二層目には芳山白釉を施して特殊な焼成法で焼き上げた焼き物です。


谷寛窯■ 製作で苦労するところ

第一に、多様なサイズや形状の違いがある作品の中で、釉薬の施釉したときに釉層 の厚みを同じ厚みに調整する技術が大変難しい点。
そして第二番目は、特殊な焼成法で窯の炉内をコントロールしなければなりません。
第三番目は釉薬の厚みが通常に比べて分厚く掛けるため、そのままでは器が重たくなります。

軽くするために、器の作りを極力薄く作ります。
しかしそれに伴い形の歪みや、釉薬が上手く施釉出来なかったり、焼きあがってからの形の崩れが生じたりします。

■ 今後の展開

お客様の要望にお応えして、他のアイテムも増やして参ります。


積雪の桜■ エピソード

雪中華の由来にあったように、私の心象を表現したものですが、ある折、五月末頃に石川県黒部ダムに旅をした折、トロッコ列車の中から目を疑いたくなる景色を目にしました。

それは山の渓谷にはまだ残雪が残り、滝には氷柱が貼っていました。
そして山桜が清楚に咲いているその花びらの上に雪が積もり、まるで私の心の中で感じていた風景(雪中華)が実際に現実の自然界に存在しているのだという出会いに大変感動したことがありました。


雪中華シリーズ■ 使用上の注意点として

釉薬がマット質のため、見た目には判りませんが、釉の表面が光沢系の釉薬に比べて凸凹していますので、茶渋などが付着し易くなりますので、気になる時には台所用の漂白剤をご使用ください。


雪中華シリーズ




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