ギャラリー陶ほうざん ミニ資料集

「ギャラリー陶ほうざん」オンラインショップの別館です
氷雪白(ひょうせつはく)

文 : 谷寛窯三代目窯主 谷井芳山


雪の上にはった氷■ 氷雪白(ひょうせつはく)の名前の由来

氷雪白が完成に近づいた頃、大地の上に雪が降り積もり、まるで白い雪の上に氷が貼っているように観える様を感じて名付けました。


氷雪白シリーズの作品■ 特徴

陶芸の技法としては、粉引手または白化粧と呼ばれている技法ですが、生地は鉄分の多い砂交じりの赤土で成形し、その上に信楽で一番白い粘土を泥漿(でいしょう:粘土に水や珪酸ソーダなどを混合し液状にしたもの)にした状態で品物の上に浸し掛けする技法を採用しました。

赤土と白土それどれの収縮の違いにより引っ張られてひび割れが生じ、「氷雪白」独特の自然にひび割れた味わいが表現されています。

陶器の釉薬の表面は、貫入と言われている釉の表面のひび割れとよく似ていますが、「氷雪白」は釉の下の白い土の表面だけにひび割れが入るのが特徴です。
化粧されたその上に、透明になる木灰釉を上掛けして本焼き焼成した作品です。

長年使用していると釉の貫入の中に茶渋などが入り込み、時代がついてまいりますと、下のひび割れと貫入のひび割れとの交差が現われ、複雑な味わいを楽しむことが出来ます。


氷になった雪■ 氷雪白の誕生でのエピソードとしての秘話

芳山という号がまだ名付けられていない23歳の頃、焼き物の原点は土(粘土)から、 そして器の色は「白」をテーマにして研究が始まり、独立して最初に手がけた技法の一つです。

本当は最初「御本手(ごほんて:含まれている鉄分が焼成の時の条件によって淡い紅色の斑点として現れること)化粧」という技法を表現したくて、まず土の研究から入りました。
たくさんの材料の組み合わせの中に見つけた一片のテストピースの中に、一つだけぐちゃぐちゃにひび割れた焼き物が窯の中から出てきたときに、なぜかそれに目が奪われました。
普通ではそれは失敗の破片ですから捨ててしまう物でしたが、不思議なことに目的としていた御本手はいったん休めてしまい、そのひび割れのモノをなんとか作品に出来ないかと、試行錯誤しながら2年間の研究を費やしてしまうことになりました。

そしてやっと25歳の時、焼き物の世界でどこにも見当たらない自分だけのオリジナルの技法が完成いたしました。

その後和食器を中心に、氷雪白シリーズの展開が始まり多くのレパートリーが生まれてゆきました。
そしてその後に、目的にしていた「御本手化粧」が一年後に出来上がってゆくのです。


谷井芳山「氷雪白」■ ご使用に関する注意点

氷雪白は陶芸の世界では粉引化粧という技法の中に分類されます。
2種類の違った粘土が合わさっていますので、片方の赤土はよく焼き締り強度がありますが、表面に被せられた白い土は耐火度が非常に強いため、焼きしまりが鈍いですので、普段使いでは普通の陶器に比べて少し弱いので、一般的には衝撃に対して弱くなります。

しかしながら氷雪白に関しては、一般的な粉引化粧よりは遥かに強度がありますので、かなり安心して使っていただけるものと自負しておりますが、なにせ焼き物の事ですので、優しく扱っていただきたく存じます。

電子レンジは大丈夫ですが、オーブンの使用は避けて戴きたいです。




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